[PR]
針の無い世界
その不思議な世界には針がなかった。
裁縫に使う針はもちろんのこと、
時計の針も。
人々は皆一枚の布でできた服を着て、地位の高い者にはその地位に見合った数だけの布を着ることが許された。
世界の王は1000枚の布で重ねられた服を着て、どこにいくにもその長い尾をひきずって歩いた。
その世界には月が三つあり、わからないことは全て教えてくれた。
暦も、その世界の形も、距離も、時間も、全て。
暦の数えかたは三つ存在していたが、戦争の末に赤い月を基にしたもので統一された。
他に黄色い月と青い月があった。
青い月が最も大きく見える土地で生まれたものは、なぜか髪が黄色かった。
赤い月が最も大きく見える土地で生まれたものは、なぜか瞳が青かった。
黄色い月が最も大きく見える土地で生まれたものは、なぜか掌が赤かった。
全ての月が同じ大きさで見える土地で生まれたものは、とくに特徴をもたなかった。
戦争が終わり赤い月の暦に統一されてからは、青い瞳の者が世界を支配した。
髪の黄色いものたちは迫害をうけた。
しかし、それらの特徴は決して遺伝ではなく生まれた場所によるものだったため、暮らす場所と子供を産む場所をめぐり度々争いが起こった。
そんな不思議な世界の夢をみた。
赤い月の大きな場所で生まれた彼らの瞳はそれはそれは綺麗だった。
黄色い髪の人たちはだいたいみんな髪を染めて青いカラコンをして生まれた場所を偽っていた。
けれど、その黄色い髪も見事なものだった。
赤い掌には、少しびっくりしてしまった。
俺はたくさんの悲劇を目にした。
あんな風に生まれた場所で人間の価値が決められてしまうなんて。わけがわからなかった。
変な夢だった。
本当に変な夢だった。
ちなみに俺は俺のままだった。三つの月が同じ大きさで綺麗に並んで見える場所で生まれたらしかった。
無意識に青い瞳に強烈に憧れている自分がいて、自分自身の個性に納得するのに時間がかかった。
夢なのに変にリアルでびっくりした。
自分を含め人間て怖いと思ってしまった。
ごっつぁんです。
裁縫に使う針はもちろんのこと、
時計の針も。
人々は皆一枚の布でできた服を着て、地位の高い者にはその地位に見合った数だけの布を着ることが許された。
世界の王は1000枚の布で重ねられた服を着て、どこにいくにもその長い尾をひきずって歩いた。
その世界には月が三つあり、わからないことは全て教えてくれた。
暦も、その世界の形も、距離も、時間も、全て。
暦の数えかたは三つ存在していたが、戦争の末に赤い月を基にしたもので統一された。
他に黄色い月と青い月があった。
青い月が最も大きく見える土地で生まれたものは、なぜか髪が黄色かった。
赤い月が最も大きく見える土地で生まれたものは、なぜか瞳が青かった。
黄色い月が最も大きく見える土地で生まれたものは、なぜか掌が赤かった。
全ての月が同じ大きさで見える土地で生まれたものは、とくに特徴をもたなかった。
戦争が終わり赤い月の暦に統一されてからは、青い瞳の者が世界を支配した。
髪の黄色いものたちは迫害をうけた。
しかし、それらの特徴は決して遺伝ではなく生まれた場所によるものだったため、暮らす場所と子供を産む場所をめぐり度々争いが起こった。
そんな不思議な世界の夢をみた。
赤い月の大きな場所で生まれた彼らの瞳はそれはそれは綺麗だった。
黄色い髪の人たちはだいたいみんな髪を染めて青いカラコンをして生まれた場所を偽っていた。
けれど、その黄色い髪も見事なものだった。
赤い掌には、少しびっくりしてしまった。
俺はたくさんの悲劇を目にした。
あんな風に生まれた場所で人間の価値が決められてしまうなんて。わけがわからなかった。
変な夢だった。
本当に変な夢だった。
ちなみに俺は俺のままだった。三つの月が同じ大きさで綺麗に並んで見える場所で生まれたらしかった。
無意識に青い瞳に強烈に憧れている自分がいて、自分自身の個性に納得するのに時間がかかった。
夢なのに変にリアルでびっくりした。
自分を含め人間て怖いと思ってしまった。
ごっつぁんです。
PR
- トラックバックURLはこちら